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アレルギーの基礎
アレルギーの原因と住宅環境の変化
 

人の身体は、有害なウイルスや細菌から身体を守る免疫システムを持っています。しかし、この免疫システムが本来は身体に害がない、または影響がほとんどないと考えられている物質(例えば、ダニ、花粉、食物、化学物質などの成分)に対して、過剰に反応して現れる症状のことをアレルギーといいます。

また、アレルギー症状の原因となる物質のことをアレルゲン(抗原)といいます。このアレルゲンには、「吸入性」、「食物性」、「接触性」の3つがあります。どのアレルゲンによって、どのような症状が現れるかは人によって大きく異なります。またアレルギーがなぜ特定の人に強く起こるのかなど、アレルギーについては、まだ十分には解明されていないことが多くあります。

  • 「吸入性アレルゲン」 : ほこり、ダニ、花粉、ペットの毛やフケなど及び有害性化学物質、大気汚染物質など
  • 「食物性アレルゲン」 : 卵、牛乳、大豆、ソバ、米、小麦、畜肉、魚肉、防腐剤、着色剤、薬品類など
  • 「接触性アレルゲン」 : うるし、装身具の金属、化粧品など
住宅環境の変化とアレルギー増加の因果関係
人間が一生涯摂取する物質
住宅環境の変化とアレルギー増加の因果関係
室内空気環境の悪化
住宅環境の変化とアレルギー増加の因果関係
 

近年の住宅は、サッシや玄関ドア、窓など建設機材の性能や施工技術の向上、省エネルギーへの取り組みによる断熱性能の向上により、住宅の高気密性・高断熱性が進んでいます。しかし、住宅の気密性を上げていった結果として、これまで住宅のあちこちにあった隙間が少なくなり、自然に行われていた住宅の換気量が不足しがちなりました。

換気不足になると、室内では高湿度による結露の発生や、それにともなうカビやダニの発生、空気汚染物質(二酸化炭素やホルムアルデヒドなど)の停滞や高濃度化といった問題が発生するようになり、シックハウス症候群やアレルギー疾患が増大する原因になりました。

このような住環境の中、室内を快適に保つためには室内の空気を常に衛生的に保つことが重要です。

人が最も摂取するのは、空気であり、83%が空気であると言われています。人が摂取し、人が生きるうえで、最も大切な空気を清浄に保つことが、健康の原点と考えます。

アレルギーの主な原因
 
  • ハウスダスト
  • ハウスダストとは、アレルギーを引き起こすいくつかのアレルゲンが混ざった室内のちりやほこりのことをいい、ペットなどの動物や人間のフケ(皮屑)、カビやダニ、またカビ(細菌類)などが混ざったものを総称してハウスダストといいます。ハウスダストアレルギーと言った場合、その多くがチリダニの仲間の虫体やフンなどが粉塵となり空気中に散乱したものに対するアレルギーであることが多いため、ダニアレルギーとほぼ同じと言えます。ハウスダストアレルギーの主な原因は高湿度によって繁殖したダニやカビによるものです。住宅空間の湿度を一定に保つことで、アレルギーの原因となるダニやカビの繁殖を抑えることができればハウスダストアレルギーの主な原因となるアレルゲンを取り除くことができると考えられます。

    また、近年、ペット同居世帯が増加し、ペットの毛、フケなどもハウスダストアレルギーの原因となると言われています。

  • VOC(揮発性有機化合物)
  • 光化学大気汚染をもたらす主要な原因物質である浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成に関与している物質です。

    2002年厚生労働省によって、ホルムアルデヒドを含む計14種類の化学物質がVOCに指定されており、その中でも特定測定物質としてホルムアルデヒト、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの5種類が「シックハウス症候群」の原因として指定されています。

  • 花 粉
  • 花粉の飛散期にくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどはアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)の症状の原因となります。現在の日本では花粉症の原因となる花粉はスギ花粉であることが大多数であり、一般的に「花粉症」といった場合、「スギ花粉症」であることがほとんどです。またスギ花粉以外にも、ヒノキ科、ブタクサ、マツ、イネ科、ヨモギなどの花粉が花粉アレルギーの原因となることもあります。

    単に、花粉の影響ばかりではなく、花粉にNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)などの公害物質が付着し、体内に取り込まれることも、人への影響は大きな問題であると考えます。NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)は、雨水にとけ、酸性雨となり、人より長く生きる木々を立ち枯れさせたりしています。日本では、石油コンビナートの排気ガスが流れるところは、土壌が酸性化し、多くの木々が枯れてしまっております。

    また、自動車からの排気ガスも大きな問題になっており、近年、排ガス規制が進められ、かなり改善が進められております。このような有害ガスと花粉との複合要因も、重要な問題であると考えております。現代人は、人より本来寿命が長い木々が立ち枯れをするような空気を取り入れていますから、この問題も今後の重要な研究課題と思います。

  • 黄砂
  • 中国大陸からの黄砂は、中国の乾燥化、砂漠化の進行により、近年、日本に黄砂が舞い降りてくる量、日が、非常に増加しています。

    中国は、急激に、工業化が進んでいますが、それに伴う大気への有害物質の拡散も、大量に進んでおり、その大気拡散有害物質が黄砂に付着し日本に舞い降りてくる為、今後、黄砂が、日本での大きなアレルゲンとなる時代が来ていると思います。黄砂症が急増する日も近いのではと心配しております。



近年、アルカリイオン水、空気清浄機など、昔には考えられないような製品がヒット商品となっておりますが、これからの健康を確保する上では、人が最も多く取り入れる空気の質的な問題「空気質」が、重要視される時代となると思います。

児童の全国的な実態調査
児童・生徒のアレルギー疾患別有病率(%)一覧表
児童の全国的な実態調査
 

以下の記述は、財団法人日本アレルギー協会、アレルギー疾患に関する調査研究報告書(アレルギー疾患に関する調査委員会:平成19年3月)などの資料を参考にして記載しております。詳細は、インターネットで検索してご覧願います。

文部科学省では、平成16年10月から、有識者からなる「アレルギー疾患に関する調査研究委員会」(以下、「本委員会」という。)において、児童生徒におけるアレルギー疾患についての総合的な調査のため、平成16 年から平成17 年にかけて全国的な実態調査を実施されました。 アレルギー疾患には、気管支喘息(以下「ぜん息」という。)、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎、食物アレルギー、アナフィラキシーなど多様な疾患が含まれる。

1. 調査対象

  • 全国の公立の小学校・中学校・高等学校・中等教育学校
  • 対象学校総数:36,830 校
  • ※平成16 年5 月1 日現在、本校のみとし、高等学校においては定時制及び通信制は除く。うち、有効回答が得られた学校数 36,061校(有効回答率97.9%)。有効回答が得られた学校に在籍する児童生徒数:12,773,554 人(平成16年5月1日現在)



2. 調査事項

児童生徒のアレルギー疾患の実態

  • 調査対象疾患 ぜん息
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性鼻炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 食物アレルギー
  • アナフィラキシーショック
  • アナフィラキシーショックとは、摂取した食物等に対するアレルギー反応が2臓器以上(例:発疹→皮膚 呼吸困難→気管支など)に出現したアナフィラキシー状態のうち、さらに血圧の低下や意識の消失にまで至った状態をいう。



3. 調査結果概要

左表のようにアレルギー疾患症状の有病率は、4人に一人が発症しているなど非常に多くの児童・子供が、苦しんでいることに驚かされました。

「アトピー性皮膚炎」
 

アトピー性皮膚炎の大きな特徴は、「強いかゆみ」と「治りにくい湿疹」です。かゆいから皮膚をかくと、これがまた皮膚の炎症を悪化させて、さらにかゆみが強くなる、という悪循環をしばしば繰り返します。

一般的に子供に多く、年齢によって少しずつ症状に違いがあります。「乳児期」では赤くガサガサした湿疹が顔を中心に、首やヒジなどにもあらわれますが、脂漏性湿疹やオムツかぶれと区別が難しいこともあります。

「幼児期」のアトピー性皮膚炎は、手足に湿疹がたくさんでてくることが多く、カサカサした鳥肌のような白い点々とした盛り上がりがみられます。一方で顔にはあまり症状は現れません。

「学童期・思春期」ではヒジやひざ、首などの関節に慢性化した湿疹が目立ってきますが、成長するにしたがって、症状は次第によくなってきます。

この病気の原因については、まだはっきりしたことがわかっていませんが、ハウスダストやダニなどのアレルゲンに過敏に反応するアレルギー体質が主な原因であると言われていました。しかし、最近の研究では、必ずしもそれだけが原因ではなく、皮膚のバリア機能の低下が大きく関係していることがわかってきました。

つまり、アトピー性皮膚炎の人は、生まれつき皮膚を守るバリア機能が低く、ここにアレルゲンなどが加わって症状が引き起こされるというわけです。

アトピー性皮膚炎が増加した要因1
 

皮膚は上から「表皮組織」、「真皮組織」、「皮下組織」というつくりになっています。表皮の一番上の最上層には肌を守るのに重要な役割をする「角質」という組織があります。

角質の中は平らな細胞が層になって重なっています。この細胞同士のすき間に、セラミド(細胞間脂質)という脂が埋まって、細胞と細胞をしっかりくっつけ、肌を保護しています。これにより皮膚の「バリア機能」が保たれています。

ところが、アトピー性皮膚炎患者では、生まれつき、このセラミドが十分でないことが多く、このため、細胞と細胞の間にすき間ができやすく、皮膚がガサガサになって穴が空いたような状態になります。このため、水分が逃げやすくなり皮膚が乾燥し、外から異物が入りやすい状態となり、アレルギーを引き起こす原因となるストレスやダニ、ハウスダストなどのアレルゲンが入り込んでアトピー性皮膚炎が発症するというわけです。

アトピー性皮膚炎が増加した要因2
愛知県内3地点におけるアトピー性皮膚炎の有症率
アトピー性皮膚炎が増加した要因2
 

皮膚科受診の中でも、アトピー性皮膚炎と診断される人の割合は年々増加しています。なぜ現在、このようなことが起こっているのでしょう。

アトピー性皮膚炎を引き起こす最も大きな要因は遺伝であると考えられますが、この遺伝子を持つ人が短期間で急激に増加しているということは考えられません。つまり、病院で受診するようなまで重症となるケースが増えていることがその理由と推測されます。

アトピー性皮膚炎が重症となる遺伝子以外の要因は、「ストレスの増加」や、「ダニが発生しやすい住宅環境」、「食生活の変化」などが考えられます。

アトピー性皮膚炎を調査したある研究データでは、都市部の人の方が町村部よりもアトピー性皮膚炎を患っている人の割合が高いというデータや、先進国の人々の方が発展途上国の人々よりも多くの割合でアトピー性皮膚炎が発症しているという報告もあり、都市型のライフスタイルがアトピー性皮膚炎の要因のひとつであると唱える研究者もいます。

成人のアトピー性皮膚炎が増えている
 

通常アトピー性皮膚炎は、成長とともに良くなっていきます。これは、成長とともに皮膚が強くなって、外からの刺激に対しても抵抗を持つようになるからです。しかし、思春期になってもなかなかよくならず、症状がそのまま続くことがあります。また、それまでは何の症状もなかった人が20歳をすぎてから発症する(成人型アトピー性皮膚炎)ケースが最近、増えています。

その原因は、学校や会社でのストレスなど、社会的環境が影響しているのではないかといわれています。実際に会社に入った直後や、転勤など、環境が変化したことがきっかけとなって症状が現れたという人が多くみられます。また、食生活の欧米化や、加工食品を摂取する機会が増えたことが関係しているという意見もありますが、詳しい原因は明らかになっていません。成人型アトピー性皮膚炎の症状は、子供の場合と違って、額や目、口の周囲、首に症状が出やすく、重症化することが多くあります。

ハウスダスト、ダニがアレルギー症状の原因のひとつ?
 

アトピー性皮膚炎のアレルゲンのひとつとして「ダニ」があります。しかし、ダニは部屋中のどこにでも存在しており、ダニに対する抗体が陽性であっても、ダニそのものが必ずしもアトピー性皮膚炎の原因とは限らないので、必要以上に神経質になることはありません。

とはいえ、ダニや、ホコリやカビなどのハウスダストは、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因となるので、できるだけ取り除き、清潔な空気を保つことが必要です。

ダニを防ぐさまざまなグッズが販売されていますが、ダニを殺したり近づけないようにするための薬剤などは、かえって体に悪影響を及ぼすこともあるので、そのような薬剤を購入するときには、中身や効能に注意することが大切です。

アトピー性皮膚炎は気管支喘息やアレルギー性鼻炎とも深い関係が?
 

アトピー性皮膚炎の人は、「気管支ぜんそく」や「アレルギー性鼻炎」、「アレルギー性結膜炎」を一緒に発症していることがあります。これらの病気は、どれも血液中でアレルギー抗体が増加しているという共通点があることから、同じグループの病気として、「アトピー性疾患」と呼ばれることがあります。

「気管支ぜんそく」は、ダニやカビなどのアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を吸い込むことによって呼吸器に発作的にアレルギー反応を起こす病気です。気管支が収縮したり、粘膜が腫れて気管が狭くなり、呼吸が苦しくなる、咳き込むなどの症状が起こります。

「アレルギー性鼻炎」も、気管支ぜんそくと同じく、アレルギーの原因となるダニやカビなどのアレルゲンを吸い込み、それが鼻の粘膜に付着することにより起こります。アレルギー性鼻炎では、くしゃみと鼻水が特徴です。「アレルギー性結膜炎」は、アレルゲンが目に付くため、目が充血してかゆくなります。

いずれの症状にも、その原因としてアレルギーの原因となるアレルゲンのダニやカビなどのハウスダストが関わっていて、これらのアレルゲンを抑えることがアトピー性疾患を改善する最も効果的な方法ということがいえます。

「シックハウス症候群」
 

シックハウス症候群とは化学物質過敏症の一種で住宅内に存在する汚染物質が引き金となって起こるアレルギー症状のことです。目の痛み・かゆみ、慢性の肩こりや偏頭痛、原因不明の微熱、結膜炎や鼻炎、アトピー性皮膚炎、ノイローゼなど感覚異常、内臓疾患、癌にいたることもあります。新築直後に発症することが多く、『新築病』とも言われています。

化学物質過敏症の人は、一般人の1/100の濃度でも発症することが確認されています。日本人の10人に1人が化学物質過敏症と言われており、抵抗力の弱い人ほど発症しやすく、ホルモンのバランスの崩れ易い思春期の女性、中高年の女性、長期滞在する主婦や子供に発病しやすいと言われています。

シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群の症状
 

この症状がシックハウスだという固有の症状はなく、個人差も大きいが、一般的には次の症状が出ると言われています。しかしながら、これらの症状は他の原因と錯覚しやすく、シックハウス症候群と気づかず、見過ごされることがよくあります。

資料: 保健婦雑誌第55巻 国立公衆衛生院 池田耕一氏執筆文より

シックハウス症候群の原因となる化学物質とその使用用途
代表的な化学物質と主な使用用途
シックハウス症候群の原因となる化学物質とその使用用途
 

VOCはシックハウス症候群の原因の他にも、光化学オキシダントの発生による、光化学スモッグ、土壌汚染や地下水汚染、飲料水の汚染などを引き起こす環境汚染の原因でもあります。

シックハウス症候群の主な原因とされているのは、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)と言われている化学物質です。2002年に厚生労働省によって、ホルムアルデヒドやVOC等計14種類の化学物質について室内濃度指針値が設定されました。また、2003年には国土交通省では、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づいてホルムアルデヒド、他の4化学物質(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)を特定測定物資に指定して、居室における空気中の測定濃度を表示する制度を改正しました。

その他、防腐剤、可塑剤など多様な揮発性有害物質が室内に奉賛されていると言われています。室内環境、生活習慣の変化、食事の変化などによりアレルギー疾患有病者が増加していると思います。

「花粉症」
 

花粉症(かふんしょう)とは、植物の花粉が鼻や眼などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみや鼻水、鼻詰まりなどのアレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)や、眼のかゆみや流涙などのアレルギー性結膜炎が、花粉の飛散期に一致して起こるアレルギー症状のことをいいます。

現在の日本ではスギ花粉によるものが大多数であり、「花粉症」といった場合、「スギ花粉症」のことを指していることが一般的です。

なぜ花粉でアレルギーが起きるのか?
 

花粉症は、花粉そのものがアレルギーを引き起こす原因である抗原(アレルゲン)ではではなく、花粉に含まれているたんぱく質の一種がアレルゲンとなり花粉症の症状が起こります。

スギなどの花粉が鼻の中に吸い込まれるとアレルギーを起こす物質である抗原(アレルゲン)が花粉から溶け出します。この抗原を抑えるために、人は体の中で抗体を作り出します。抗体は肥満細胞と呼ばれる細胞に乗って、抗原が体に侵入すると出撃し抗原を捕まえますが、 このときに肥満細胞からヒスタミンなどいくつかの物質が放出されます。このヒスタミンなどの物質が神経を刺激して、その刺激でくしゃみが起きたり、鼻水が流れたりして抗原を体の外へ追い出そうとするのです。

鼻の血管は刺激を受けて、鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりが起こります。こうして抗原(花粉)を含んだ空気を、入りにくくするのです。

眼についた花粉も同じような体のはたらきで、眼のかゆみを起こします。そのとき、涙によって、花粉を洗い出そうとします。こうした一連の抗原と抗体による反応をアレルギー反応と呼びます。アレルギー反応は、異物が体に入るのを防ぐ、人の体に備わった防衛システムです。体の防御反応は、起こり方には個人差があります。何の反応も出ない人もいますし、反応が過敏になり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが激しく起こる人もいます。

つらい鼻の症状の原因は?
 

鼻の内側は、大きく分けて「鼻腔」と「副鼻腔」に分かれています。鼻の穴の奥にあるのが、鼻腔です。鼻腔は仕切り(鼻中隔)によって左右に分かれて、左右の鼻腔にはそれぞれに3つのヒダ(上、中、下鼻甲介)があります。鼻腔の仕切りやヒダの表面は、粘膜で覆われていて、その粘膜にはたくさんの血管や分泌腺があり、粘膜の表面には線毛をもつ細胞が並んでいます。

この粘膜や線毛はさまざまな働きをします。

まず鼻の粘膜は乾燥した空気に湿り気を与えます。気管や肺は、乾燥に非常に弱く、乾いた空気では炎症を起こしてしまうためです。鼻の粘膜から分泌される水分は、1日に1リットルくらいといわれます。

ホコリを肺に侵入させないように防ぐのは、粘膜の上を覆っている粘液です。粘液にはホコリや花粉が吸着されます。吸着されたホコリや花粉は線毛の働きでベルトコンベア式にのどへ運ばれて口から排泄されます。100分の1ミリ以上の粒子の80?10%は鼻に吸着されます。そのため鼻にはアレルギーが起こりやすいのです。

鼻腔に起こる炎症のことを鼻炎といい、花粉によって引き起こされるアレルギー性鼻炎のことを一般的に花粉症といいます。そのため花粉症の人は鼻に花粉が吸い込まないようにして、炎症がおこるのを防がなければなりません。

ちなみに、副鼻腔は鼻腔の周りの骨の中にあるいくつかの空洞で、鼻腔とは小さな孔でつながっています。孔が小さいため花粉などは通常入りにくいのですが、それでもアレルギーを起こすことがあります。副鼻腔で起きた炎症は副鼻腔炎といい、中でも膿がたまった症状がいわゆる「蓄のう症」といわれています。

どうして花粉症は増えたの?
 

花粉症は、ほんの20年程前まではあまリ一般的ではありませんでした。ところが、今や国民の15%以上(6人に1人)が花粉症であるといわれています。

ひとつには春が近づくとニュースで来春の花粉の飛散予想などが頻繁に取り上げられることにより、それまでは花粉症は気がつかずに見過ごしていたケースでも花粉症と意識され、通院する人が増えたことが一因だと思われます。

しかし、それだけで花粉症と診断される人が5倍?6倍も増加したと推測するのは困難です。やはり、花粉症を発症した人の数が増えたと考えるのが自然でしょう。

花粉症の人が増えた理由には色々な説があげられています。例えば「戦後、各地で大規模にスギが植林され、それらが樹齢30年以上になり大量の花粉が飛散し始めた」といった飛散する花粉の増加を原因とする説や「食生活が欧米化してたんぱく質が多い栄養を摂取するようになったため、昔よリも抗体を造りやすい体質になっている」、「ストレスの増加が自律神経のバランスを崩し、アレルギーを発症させやすくしている」というライフスタイルの変化を原因とする説、また 「自動車の排気ガスなどの汚染物質が複合的に花粉症を起こしやすくしている」などです。

しかしながら花粉症の決定的な原因はまだ明確には分かっていません。前述した要因がいくつか重なりあって、元々アレルギーを起こしやすいタイプの人がかかりやすくなっているのが花粉症が増加した原因ではないかとも言われています。

花粉症になりやすいタイプ、なりにくいタイプ
タイトル1
花粉症になりやすいタイプ、なりにくいタイプ
 

同じ地域に住んでいれば、ほとんど同じ量の花粉を浴びるわけですが、花粉症になる人とならない人がいます。それでは、どのような人が花粉症にかかりやすいのでしょう。

まず、本人が過去にアレルギーによる皮膚炎やぜんそくなどにかかったことがある、または今現在かかっているなど、アレルギー反応を起こしやすい体質である場合、花粉症も起こしやすいといわれています。また家族にアレルギーによる気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎など、何らかのアレルギーをもっている人がいる場合も花粉症を起こしやすいと言われています。アレルギーを起こしやすい体質は遺伝子が原因であるケースも多くあるからです。

日本では、花粉症など鼻アレルギーの患者が人口の10%?15%いると推測されています。特に花粉症の患者は20歳代、10歳代、30歳代に多く、60歳以上では少ない傾向がみられます。これは年齢とともに、花粉に対する抗体が少なくなるためと思われます。

稚内珪藻岩使用によるアレルギー改善効果レポート
各評価指標における対象患者群とコントロール群の比較結果
稚内珪藻岩使用によるアレルギー改善効果レポート
 

近年、アトピー性皮膚炎やシックハウス症候群、花粉症など、住宅環境がひとつの要因と思われるアレルギー症状の増加が大きな関心を集めています。また同時に、最近ではエコやロハス(LOHAS=健康で持続可能な生活スタイル)などの言葉がよく取り上げられように、人々の健康や自然環境に対する意識の高まりも相重なって、ますます自然素材を利用した住宅建材への関心が高まっています。

このように健康や自然素材に対する人々の注目が集まる中、珪藻土を利用した塗壁でリフォームを行った住宅に住む人の中で、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が改善されたという情報が複数報告されました。

このような報告を受け、珪藻土の中でも特に高性能、高品質な稚内珪藻土(稚内層珪藻頁岩)の性質がアレルギー性疾患の中でも特にアトピー性皮膚炎の改善にどのような影響を及ぼすのかを研究するため、浜松医科大学とパナホーム株式会社が共同して、実際の病室に稚内珪藻土(稚内層珪藻頁岩)を稚内珪藻土絵お配合した塗り壁材を内壁に塗り、検証が行われています。

また、稚内珪藻土(稚内層珪藻頁岩)がマイナスイオンを発生し、そのマイナスイオンの効果でリラックス度が向上し、ストレスが低減することによって、アトピー性皮膚炎が改善することも考えられるため、これについての検証も同時に行われています。

以下に学術論文集の評価結果を記載致します。

  • 詳細は、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2005.8.9?11(札幌)}をご参考下さい。
  • 評価結果(空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2005.8.9?11(札幌)抜粋}

ストレスの指標(STAI)については「状態不安」、「特性不安」とも有意差は得られなかった。

アトピー性皮膚炎の重症度の総合指標(SCORAD指数)、痒みの指標(VAS値)、皮疹の重症度の指標(血清LDH値)の3つの指標について、対象患者群の方が、有意に低下率が大きく、稚内珪藻土(稚内層珪藻頁岩)塗壁のアトピー性皮膚炎の改善の可能性が確認できた。

専門用語解説
稚内珪藻土の基礎知識
アレルギーの基礎知識
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